朝靄とネクタイ

自己顕示欲と僻みのミックスジュースブログ

ラブライブ!サンシャイン!! 第八話感想的なアレ(ネタバレ注意)

おはようございます。

 

明日26日金曜日から映画「君の名は。」が公開となります。

僕は新海誠作品はかなり好きなので、土曜日あたりにでも観に行こうかなと思っています。音楽や声優などの面で有名な方を使っていることもあり、全国の映画館で上映されますね。「言の葉の庭」も結局近くの映画館ではやってなかったので。

この作品を機にライト層が凄く増えそうなのですが、僕の周りには代名詞の「秒速5センチメートル」すら知らない人がほとんどでしたので、語り合える人が増えてくれると嬉しいですよね。

ネタバレしないように感想等書けたらなとは思っています。

 

 

さて、早いものでサ!!の感想記事も8回目となりました。

実は、この記事を書くのが楽しみで仕方ありませんでした。ハッキリ言います。神回です。それも、文句無しの。

早速振り返ってみましょう。

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まだ観ていない方はこちらから(土曜日に無料期限が切れるのでお早めに)

youtu.be

 

 以後、ネタバレ注意です。

 

 

 

第8話をまとめると

  • 理想と現実、敗北と成長
  • 3年生の過去が明らかに
  • いつまでも憧れるだけじゃない

 

 

 

理想と現実、敗北と成長

「東京スクールアイドルワールド」2番手での参加のAqours、ライブへの意気込みも十分、万全の状態です。

そんな中、トップバッターのSaintSnow(セイントスノー)が迫力の演技を魅せます。

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曲は「SELF CONTROL!!」

とてもスクールアイドルの曲とは思えないメタル調の曲でした。最後のポーズも、アイドルらしからぬポーズです。

nico.ms

 

歌、ダンス共にトップクラスのSaintSnowに、Aqours一同は圧倒されます。

2番手のAqoursは「夢で夜空を照らしたい」を披露(衣装から推測)。6話挿入歌であり、今回のイベントに呼ばれるきっかけとなった曲です。

千歌たちは、「今までで一番」と言えるほどのパフォーマンスを披露できた模様。

 

しかし、ライブを終えたAqoursの面々の面持ちは良くありません。

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トップアイドルの実力を見せつけられたのでしょうか、千歌は落ち込む皆を励まそうとアイスを買っています。ここの表情が秀逸ですよね。

「出来は一番良かった」と励ます千歌。しかし、他のメンバーは他のスクールアイドルのレベルの高さに落胆しています。事実、一同が衝撃を受けたSaintSnowでさえも優勝できていませんでした。

 

そんな中、イベント運営からの電話がかかります。

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「正直…どうしようか迷ったんだけど、出場してもらったグループにはちゃんと渡すことにしているから」 

 そう言われて受け取ったのは、全グループの得票集計結果。

SaintSnowは9/30位、このレベルで9位っていうのはかなり壁は高いようです。

気になるAqoursの順位は……

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30組中30位。出場グループの中では最下位です。

そして、得票数は…

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0票でした。

SaintSnowは120票前後、レベルの違いは結果となって表れました。

結果に関しては、東京というアウェーの環境でやったこと、観客はよっぽどのことがない限り固定ファンであり、票は固まること、ライブでバラード調の曲を選択したこと、色々な敗因があったと思います。

それでも、この「0票」という結果ほど、彼女たちの胸に突き刺さるものはないと思います。だって0ですよ?あのイベントの中に、Aqoursを応援している人が居ないんですよ?Aqoursがイベントに居ないも同然だったんですよ?

 

さらにそこにSaintSnowが追い打ちをかけます。

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「素敵な歌で、とても良いパフォーマンスだったと思います。ただ、もしµ‘sのようにラブライブを目指しているのだとしたら、諦めた方がいいかもしれません。」 

 グサッとくる一言。

負けた腹いせなのかそれとも本気で言っているのか、結果を知ってて言ってる以上嫌味にしか聞こえません。流石にこれでイラつかない人は居ないでしょう、という口ぶり。

理亞ちゃんも、やっと口を開きます。

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「馬鹿にしないで。ラブライブは、遊びじゃない!」

なんだこの姉妹は

高飛車が過ぎますよ。ただ、プライドも高く、自分に鞭を打って、結果に甘えないからこそのセリフだとは思います。上位陣が皆こんな感じだとスクールアイドルの未来が心配になりますね。彼女たちは、もう一皮剥けないと、一つ上にはいけないと思います。

 

 

 

 

帰りの電車で千歌は言います。

「精一杯やったんだもん。努力して頑張って東京に呼ばれたんだよ?それだけで凄いことだと思う。」

 しかし、曜は

「千歌ちゃんは、くやしくないの?」 

 と、千歌の核心を突く質問を投げかけます。

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「そりゃあ悔しいよ。でも満足だよ。皆であそこに立てて。私は、”嬉しかった”。」 

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明らかに動揺を隠せない千歌。この表情もすごくいいです。

「なら、良いんだけど…」と一行は東京を後にします。

 

 

帰ってきたAqoursのもとに、出迎えに来てくれた学校の皆が集まります。

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心配する学校の皆ですが、今までで一番のパフォーマンスができたと知り、安心します。

「じゃあ、もしかして本気でラブライブ決勝狙えちゃうかもってこと?」 

 千歌たちははっとします。実力を知った今、結果を知ってしまった今、彼女たちに肯定する術はありませんでした。

 

 

 

家に帰る別れ際、曜は千歌に聞きます。

「千歌ちゃん、やめる?スクールアイドル」 

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 千歌は何も答えませんでした。

一番近くで支えてくれた曜に、自分のやりたいことに付き合ってくれた曜に、すんなりNoと言えるはずがなかったのです。

 

 

夜遅くまで千歌は考え、はっとします。

 

 

翌朝早く、梨子は海に行く千歌を目にします。

海に身を投げてしまったのではないか、と、梨子は急いで駆けつけます。

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どうやら、2話で梨子が「海の音」を聴こうとしたように千歌も何か見えないか、と潜っていたようで。

 

千歌は話します。

「何も見えなかった。でもね、だから思った。続けなきゃって。」 

 「私、まだ何も見えてないんだ、って。先にあるものが何なのか。」

「このまま続けても、0なのか、それとも1になるのか、10になるのか……。」 

「ここでやめたら全部分からないままだ、って。」

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「だから私は続けるよ。スクールアイドル。だってまだ0だもん!」 

「あれだけ皆で練習して、歌も皆で作って、衣装も作ってPVも作って、頑張って頑張って、皆に良い歌聴いて欲しい、って…」

「スクールアイドルとして輝きたい、って…」

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「なのに0だったんだよ!!?くやしいじゃん!!」 

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「差がすごいあるとか、昔とは違うとか、そんなのどうでもいい!!」 

「悔しい、やっぱり私、”くやしい”んだよ……。」

 

想いを思いのままにぶつける千歌を、梨子は優しく抱擁します。

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「だって私が泣いたら、皆落ち込むでしょ?今まで頑張ってきたのに、折角スクールアイドルやってくれたのに……悲しくなっちゃうでしょ?」

 

「馬鹿ね…皆千歌ちゃんのためにスクールアイドルやってるんじゃないの。自分で決めたのよ、私も、曜ちゃんも、ルビイちゃんも、花丸ちゃんも、もちろん善子ちゃんも。」

「だから良いの。千歌ちゃんは、感じたことをぶつけて、声に出して。」

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「皆で一緒に歩こう。一緒に。」

 

 

 

こうしてAqoursは決意を固め、次のステップへ進むのでした。

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「努力の量と結果は比例しない」とマリーは6話で言いました。

自分たちが思い描いていた理想を打ち砕く無残な結果、初めての敗北、挫折、それに対する千歌のリーダーとしての責任、思い、Aqoursは、再スタートを切ります。

 

 

 

 

3年生の過去が明らかに

マリーと果南は、またもや密会をします。

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スクールアイドルをしていた時の記憶が蘇ります。

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果南とダイヤが始めたスクールアイドル。マリーを誘おうとしています。

この時すでに浦の星女学院は統合されるかも、という噂が流れていました。

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だいやを必死で説得する2人、果南は「入ってくれないとハグやめない」とかわいい女の子にしか許されない行動でマリーを誘うことに成功します。

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ダイヤたちスクールアイドルはめきめきと名を上げ、地域の人や学校にも後押しされ、遂に東京のイベントに呼ばれるようになります。

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しかし、ダイヤたちは、本番、他のグループのパフォーマンスの凄さと会場の空気に圧倒され、歌うことができなかったのです。

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マリーは果南に訴えます。

もう一度スクールアイドルをやろう、と。

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果南はマリーの誘いを断ります。

「誰かに見てもらうとか、ラブライブで優勝するとか」

「誰かが傷つく前に、あきらめた方が良い」と。

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マリーは、今でも宝物であると、あの頃を取り戻したいと、果南に訴えかけますが、果南には届きません。

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「努力の量と結果は比例しない」

理事長にもなって誰よりもこの学校を支えているはずのマリーでも、友達2人、振り向かせることもできないのでした。

 

 

同時刻、ルビイを迎えに来たダイヤは、全て知ったような顔で、泣き出すルビイに胸を差し出します。

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ダイヤは、Aqoursの面々に、自分たちの過去を話し始めたのです。

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そして言いました。

「今や第一回の10倍以上にまで参加者が増えたラブライブでは、スクールアイドルでは、見てくれる人に十分なパフォーマンスをする、もう、それだけではダメ」だと。

 

ダイヤはいずれこうなることが分かって、今まで千歌たちに反対し続けたのです。

 

誰も救われないのか、と疑いたくなるほどにダークですね。それでも、仕方ないことなのか、そうならざるを得なかったのか、もやもやしますね。

 

 

 

 

いつまでも憧れるだけじゃない

今回の話では、2つの挫折が描かれます。どちらも共通して言えるのは、憧れや理想が打ち砕かれたこと。

µ‘sのように、という憧れがいとも簡単に崩れ落ちます。

実力、結果、全てが理想とは程遠い現実、その挫折が描かれます。

 

憧れの遠さ、自分たちの実力のなさ、そこから千歌たちが感じたのは「絶望」ではなく「悔しさ」でした。

遠い理想を追いかけ、現実を知って、目の前の「悔しさ」を原動力に、彼女たちは再スタートを切ります。

 

僕は、この瞬間に「ああ、Aqoursの物語が始まったな」と。今までµ‘sを追いかけて、µ‘sを理想としていた彼女たちが、初めて「Aqours」として立ち上がったな、と、思いました。

 

 

総評すると、文句無しの神回でした!!!!

 

個人的には、ラブライブ!史上最高の回だと思っています。

全て観ていることは前提ですが、今までµ‘sが積み重ねてきたもの、それを追いかけるAqours、そしてその殻を破る瞬間。

ストーリー構成ももちろんですが、何より千歌ちゃんが良い!

自分がAqoursのリーダーだという自覚を持って、皆に気を遣って、それでも溢れ出る悔しさを抑えきれずにいて、どう見ても「普通のいい子」なんですよ。

努力が報われず、思い通りにもいかず、理想を打ち砕かれ、それでも前を向こうとする、そんな千歌ちゃんが輝く回でした。

3年生も、自分たちの挫折を負わせまいと奮闘している様子が表れてて、すごく良かったです。

千歌ちゃんに正直になって欲しいと核心を突く曜ちゃん、想いをぶつける千歌を優しく抱きしめる梨子ちゃん。もちろん傍にいてくれる1年生も。

ああ、なんて強いんだ、と。心から思います。

 

 

 

 

まだ観ていない方は、今すぐ観た方がいいです。

少なくとも、僕の中にある「ラブライブ!」というものが、大きく変わった回だったので。

 

次回は恐らく3年生回、まだまだ余韻は残りますが、とても楽しみです。

 

 

それではまた明日にでも。