ラブライブ!サンシャイン!! 第八話感想的なアレ(ネタバレ注意)
おはようございます。
明日26日金曜日から映画「君の名は。」が公開となります。
僕は新海誠作品はかなり好きなので、土曜日あたりにでも観に行こうかなと思っています。音楽や声優などの面で有名な方を使っていることもあり、全国の映画館で上映されますね。「言の葉の庭」も結局近くの映画館ではやってなかったので。
この作品を機にライト層が凄く増えそうなのですが、僕の周りには代名詞の「秒速5センチメートル」すら知らない人がほとんどでしたので、語り合える人が増えてくれると嬉しいですよね。
ネタバレしないように感想等書けたらなとは思っています。
さて、早いものでサ!!の感想記事も8回目となりました。
実は、この記事を書くのが楽しみで仕方ありませんでした。ハッキリ言います。神回です。それも、文句無しの。
早速振り返ってみましょう。
まだ観ていない方はこちらから(土曜日に無料期限が切れるのでお早めに)
以後、ネタバレ注意です。
第8話をまとめると
- 理想と現実、敗北と成長
- 3年生の過去が明らかに
- いつまでも憧れるだけじゃない
理想と現実、敗北と成長
「東京スクールアイドルワールド」2番手での参加のAqours、ライブへの意気込みも十分、万全の状態です。
そんな中、トップバッターのSaintSnow(セイントスノー)が迫力の演技を魅せます。
曲は「SELF CONTROL!!」
とてもスクールアイドルの曲とは思えないメタル調の曲でした。最後のポーズも、アイドルらしからぬポーズです。
歌、ダンス共にトップクラスのSaintSnowに、Aqours一同は圧倒されます。
2番手のAqoursは「夢で夜空を照らしたい」を披露(衣装から推測)。6話挿入歌であり、今回のイベントに呼ばれるきっかけとなった曲です。
千歌たちは、「今までで一番」と言えるほどのパフォーマンスを披露できた模様。
しかし、ライブを終えたAqoursの面々の面持ちは良くありません。
トップアイドルの実力を見せつけられたのでしょうか、千歌は落ち込む皆を励まそうとアイスを買っています。ここの表情が秀逸ですよね。
「出来は一番良かった」と励ます千歌。しかし、他のメンバーは他のスクールアイドルのレベルの高さに落胆しています。事実、一同が衝撃を受けたSaintSnowでさえも優勝できていませんでした。
そんな中、イベント運営からの電話がかかります。
「正直…どうしようか迷ったんだけど、出場してもらったグループにはちゃんと渡すことにしているから」
そう言われて受け取ったのは、全グループの得票集計結果。
SaintSnowは9/30位、このレベルで9位っていうのはかなり壁は高いようです。
気になるAqoursの順位は……
30組中30位。出場グループの中では最下位です。
そして、得票数は…
0票でした。
SaintSnowは120票前後、レベルの違いは結果となって表れました。
結果に関しては、東京というアウェーの環境でやったこと、観客はよっぽどのことがない限り固定ファンであり、票は固まること、ライブでバラード調の曲を選択したこと、色々な敗因があったと思います。
それでも、この「0票」という結果ほど、彼女たちの胸に突き刺さるものはないと思います。だって0ですよ?あのイベントの中に、Aqoursを応援している人が居ないんですよ?Aqoursがイベントに居ないも同然だったんですよ?
さらにそこにSaintSnowが追い打ちをかけます。
「素敵な歌で、とても良いパフォーマンスだったと思います。ただ、もしµ‘sのようにラブライブを目指しているのだとしたら、諦めた方がいいかもしれません。」
グサッとくる一言。
負けた腹いせなのかそれとも本気で言っているのか、結果を知ってて言ってる以上嫌味にしか聞こえません。流石にこれでイラつかない人は居ないでしょう、という口ぶり。
理亞ちゃんも、やっと口を開きます。
「馬鹿にしないで。ラブライブは、遊びじゃない!」
なんだこの姉妹は
高飛車が過ぎますよ。ただ、プライドも高く、自分に鞭を打って、結果に甘えないからこそのセリフだとは思います。上位陣が皆こんな感じだとスクールアイドルの未来が心配になりますね。彼女たちは、もう一皮剥けないと、一つ上にはいけないと思います。
帰りの電車で千歌は言います。
「精一杯やったんだもん。努力して頑張って東京に呼ばれたんだよ?それだけで凄いことだと思う。」
しかし、曜は
「千歌ちゃんは、くやしくないの?」
と、千歌の核心を突く質問を投げかけます。
「そりゃあ悔しいよ。でも満足だよ。皆であそこに立てて。私は、”嬉しかった”。」
明らかに動揺を隠せない千歌。この表情もすごくいいです。
「なら、良いんだけど…」と一行は東京を後にします。
帰ってきたAqoursのもとに、出迎えに来てくれた学校の皆が集まります。
心配する学校の皆ですが、今までで一番のパフォーマンスができたと知り、安心します。
「じゃあ、もしかして本気でラブライブ決勝狙えちゃうかもってこと?」
千歌たちははっとします。実力を知った今、結果を知ってしまった今、彼女たちに肯定する術はありませんでした。
家に帰る別れ際、曜は千歌に聞きます。
「千歌ちゃん、やめる?スクールアイドル」
千歌は何も答えませんでした。
一番近くで支えてくれた曜に、自分のやりたいことに付き合ってくれた曜に、すんなりNoと言えるはずがなかったのです。
夜遅くまで千歌は考え、はっとします。
翌朝早く、梨子は海に行く千歌を目にします。
海に身を投げてしまったのではないか、と、梨子は急いで駆けつけます。
どうやら、2話で梨子が「海の音」を聴こうとしたように千歌も何か見えないか、と潜っていたようで。
千歌は話します。
「何も見えなかった。でもね、だから思った。続けなきゃって。」
「私、まだ何も見えてないんだ、って。先にあるものが何なのか。」
「このまま続けても、0なのか、それとも1になるのか、10になるのか……。」
「ここでやめたら全部分からないままだ、って。」
「だから私は続けるよ。スクールアイドル。だってまだ0だもん!」
「あれだけ皆で練習して、歌も皆で作って、衣装も作ってPVも作って、頑張って頑張って、皆に良い歌聴いて欲しい、って…」
「スクールアイドルとして輝きたい、って…」
「なのに0だったんだよ!!?くやしいじゃん!!」
「差がすごいあるとか、昔とは違うとか、そんなのどうでもいい!!」
「悔しい、やっぱり私、”くやしい”んだよ……。」
想いを思いのままにぶつける千歌を、梨子は優しく抱擁します。
「だって私が泣いたら、皆落ち込むでしょ?今まで頑張ってきたのに、折角スクールアイドルやってくれたのに……悲しくなっちゃうでしょ?」
「馬鹿ね…皆千歌ちゃんのためにスクールアイドルやってるんじゃないの。自分で決めたのよ、私も、曜ちゃんも、ルビイちゃんも、花丸ちゃんも、もちろん善子ちゃんも。」
「だから良いの。千歌ちゃんは、感じたことをぶつけて、声に出して。」
「皆で一緒に歩こう。一緒に。」
こうしてAqoursは決意を固め、次のステップへ進むのでした。
「努力の量と結果は比例しない」とマリーは6話で言いました。
自分たちが思い描いていた理想を打ち砕く無残な結果、初めての敗北、挫折、それに対する千歌のリーダーとしての責任、思い、Aqoursは、再スタートを切ります。
3年生の過去が明らかに
マリーと果南は、またもや密会をします。
スクールアイドルをしていた時の記憶が蘇ります。
果南とダイヤが始めたスクールアイドル。マリーを誘おうとしています。
この時すでに浦の星女学院は統合されるかも、という噂が流れていました。
だいやを必死で説得する2人、果南は「入ってくれないとハグやめない」とかわいい女の子にしか許されない行動でマリーを誘うことに成功します。
ダイヤたちスクールアイドルはめきめきと名を上げ、地域の人や学校にも後押しされ、遂に東京のイベントに呼ばれるようになります。
しかし、ダイヤたちは、本番、他のグループのパフォーマンスの凄さと会場の空気に圧倒され、歌うことができなかったのです。
マリーは果南に訴えます。
もう一度スクールアイドルをやろう、と。
果南はマリーの誘いを断ります。
「誰かに見てもらうとか、ラブライブで優勝するとか」
「誰かが傷つく前に、あきらめた方が良い」と。
マリーは、今でも宝物であると、あの頃を取り戻したいと、果南に訴えかけますが、果南には届きません。
「努力の量と結果は比例しない」
理事長にもなって誰よりもこの学校を支えているはずのマリーでも、友達2人、振り向かせることもできないのでした。
同時刻、ルビイを迎えに来たダイヤは、全て知ったような顔で、泣き出すルビイに胸を差し出します。
ダイヤは、Aqoursの面々に、自分たちの過去を話し始めたのです。
そして言いました。
「今や第一回の10倍以上にまで参加者が増えたラブライブでは、スクールアイドルでは、見てくれる人に十分なパフォーマンスをする、もう、それだけではダメ」だと。
ダイヤはいずれこうなることが分かって、今まで千歌たちに反対し続けたのです。
誰も救われないのか、と疑いたくなるほどにダークですね。それでも、仕方ないことなのか、そうならざるを得なかったのか、もやもやしますね。
いつまでも憧れるだけじゃない
今回の話では、2つの挫折が描かれます。どちらも共通して言えるのは、憧れや理想が打ち砕かれたこと。
µ‘sのように、という憧れがいとも簡単に崩れ落ちます。
実力、結果、全てが理想とは程遠い現実、その挫折が描かれます。
憧れの遠さ、自分たちの実力のなさ、そこから千歌たちが感じたのは「絶望」ではなく「悔しさ」でした。
遠い理想を追いかけ、現実を知って、目の前の「悔しさ」を原動力に、彼女たちは再スタートを切ります。
僕は、この瞬間に「ああ、Aqoursの物語が始まったな」と。今までµ‘sを追いかけて、µ‘sを理想としていた彼女たちが、初めて「Aqours」として立ち上がったな、と、思いました。
総評すると、文句無しの神回でした!!!!
個人的には、ラブライブ!史上最高の回だと思っています。
全て観ていることは前提ですが、今までµ‘sが積み重ねてきたもの、それを追いかけるAqours、そしてその殻を破る瞬間。
ストーリー構成ももちろんですが、何より千歌ちゃんが良い!
自分がAqoursのリーダーだという自覚を持って、皆に気を遣って、それでも溢れ出る悔しさを抑えきれずにいて、どう見ても「普通のいい子」なんですよ。
努力が報われず、思い通りにもいかず、理想を打ち砕かれ、それでも前を向こうとする、そんな千歌ちゃんが輝く回でした。
3年生も、自分たちの挫折を負わせまいと奮闘している様子が表れてて、すごく良かったです。
千歌ちゃんに正直になって欲しいと核心を突く曜ちゃん、想いをぶつける千歌を優しく抱きしめる梨子ちゃん。もちろん傍にいてくれる1年生も。
ああ、なんて強いんだ、と。心から思います。
まだ観ていない方は、今すぐ観た方がいいです。
少なくとも、僕の中にある「ラブライブ!」というものが、大きく変わった回だったので。
次回は恐らく3年生回、まだまだ余韻は残りますが、とても楽しみです。
それではまた明日にでも。