朝靄とネクタイ

ほのぼの現実逃避ブログ

受験期の学生は観てはいけないアニメ「Just Because!」を受験生が観た感想

今日、第一志望校の合格発表があり、眠れなかったため徹夜でアニメを観ようと思い、Amazonプライムで探したところ、「Just Because!」というアニメにたどり着きました。

 

あらすじを見る限り、高校三年生の冬という設定や、受験勉強や恋愛をテーマにしているので、明らかにこの時期の受験生は観てはいけないアニメだとは察しました。

(放送は2017秋アニメなので、現実のセンター試験直前に話が終わります)

が、高い評価や比村奇石先生のキャラデザに惹かれ、一気見してしまいました。

 

結論から感想を言うと、物凄い神アニメでした。

今回はその感想をダラダラと述べていきたいと思います。

ネタバレは殆どしないので安心してご覧ください。

 

評価点①:恋愛モノに見せかけたドラゴン桜

本作のメインキャラクターは5人いて、内2人が大学受験の勉強をします。

さらにその内の1人は上智大学(本編では上叡大学)に推薦で入学内定です。

この時点で受験はおざなりになり、恋愛を軸に回していくストーリーのように思います。

しかし、場面の区切り方や後半のキャラの焦点の当て方は完全に受験を意識した時間設定となっており、恋愛が軸にありながらも受験が添え物にならない工夫がなされています。

この時期にアニメを観る受験生が少ないのにも関わらず、このアニメのメインターゲット層が受験生であるかのように、受験生に丁寧な作りとなっていました。

 

評価点②:たった2ヵ月の密度を感じさせないストーリー

本作は1話で主人公の泉瑛太が転校してくる(12/22)から卒業式(翌年3月上旬)までの2か月ちょっとの期間で出会いから別れを描いています。

(一応ラストシーンでは4月の描写もありますが、一瞬なので無視します)

 

その間に揺れ動く少年少女の心理を、受験や沢山のイベントを挟みながら淡々と描いていくのですが、本来なら密度あるこのストーリーが、間の取り方や多くを語らない演出などによって適度にゆとりを持たせ、独特の雰囲気を醸し出しています。

単調のように見えるストーリーも、水面のように少しの衝撃で揺れ動く心理を丁寧に表現していました。

それは、ある人から見ればつまらないでしょうし、またある人から見れば緊張感が持続しているように思うことでしょう。

私はこの雰囲気がとても好きで、視聴を始めてすぐにのめり込みました。

 

評価点③:適度な皮肉とそれに対するもどかしさ

本作はいくつもの皮肉が散りばめられてます。

大きな一つは、主人公泉瑛太の存在です。

彼が登場することによって、均衡を保っていた関係性に一石を投じ、皮肉にも彼が中心となって5人が揺れ動くことになります。

他にも、受験校やLINEのメッセージ等、後から皮肉のように思えるエピソードは豊富です。

しかし、そこから生まれるもどかしさもあります。

それは心に張り付くのですが妙に心地良く、この作品の魅力であり、淡々としたストーリーにエッセンスを加えています。

 

評価点④:魅力的なキャラクター

本作はサブキャラ含め丁寧に作られているため、感情移入もしやすく魅力もあります。

特に、メインの5人はとてもよくできていて、揺れ動く心理が繊細に表現されていました。

それぞれは相手のことに関しては鋭いですが、自分のことになると途端に鈍くなるという、皮肉でありながらその年代の若者(私も含め)をリアルに表現できています。

 

恋愛の部分も、相手のことを考えているようで自分勝手だったり、そこから傷つけたり行き違いが生じたりと、もどかしくもどこか共感できてしまいます。

昔恋をしたことがある方なら誰でもそう感じるのではないでしょうか。

 

そして、サブキャラは本編に割と関わっているのに5人の関係性を邪魔しない適度な距離感を保っていて魅力を感じました。

サブキャラが好きだという方も少なくは無いと思います。

 

評価点⑤:徹底的に受験生の目線

本作が秀作から傑作になる1つの要因であり、私が特筆して挙げたい点でもあります。

例えば、キャラが使ってる参考書や単語集が、志望大学に適したものであったり、赤本の使い方がしっかりしている点など、受験生が違和感を感じないように随所に丁寧さが見られます。

特に挙げたいのは、現代文の先生に質問するシーンで、ヒロインの一人は青山学院大学(本編では翠山学院大学)志望なのですが、青学の受験は国語は現代文のみで、ここの整合性が保たれており、その上話に緩急がついているのです。

何気ないワンシーンでしたが、私は神シーンだと思いました。

 

評価点⑥:湘南の街並み

本作は随所に魅力的な場所が多く、背景に引き込まれる時も多々あるほどです。

舞台は湘南とのことで、何かと漫画やアニメに縁がある街です。

バス、JR、モノレールなど、様々な公共交通機関の場面も多く、一度聖地巡礼に訪れたいと思いました。

 

まとめ

私は小宮をひたすら推してます。

 

あの時期の青春っていうのがひしひしと伝わってくる傑作でした。

はじめの2話で痛いほど胸を締め付けられ、そこからもどかしさを感じながら心地良い余韻を残しながら緊張が解れていきました。

泣く、という程の感動はありませんでしたが、もう一度観たら必ず泣くことだと思います。

高校生から上に年が離れていけばいくほど感動や胸の痛さは大きくなっていくんだと思います。そういう作品でした。

映像や音楽も綺麗で凄く良かったです。

 

受験生として観た感想は、やはり観るべきではなかった、という点です。

恋愛と受験という、本来両立しないと言われる二足の草鞋を履いて、随所で「もっと勉強しろ」とか「遊ぶんじゃねえぞ…」とか思いました。

しかし、それでも彼らの恋を応援し、真剣に彼らの合格を祈りました。

まるで、あの5人の中に混ざっているような感覚すら覚えました。

彼らの嬉しさや悲しさは、我が身で真に感じているように思いました。

恐らく私は、受験を理由に恋愛を見ない振りをする粋がりや、思うように勉強や受験が上手くいかない辛さを、彼らに投影してしまっていたんだと思います。

 

だから、観るべきでは無かったんですけど、心の奥では、どこかで、この時期に、この作品と出会うことができて良かった、と思っています。

ありがとうございました。

 

justbecause.jp