朝靄とネクタイ

自己顕示欲と僻みのミックスジュースブログ

ラブプラスVRと聞いて3年近く放置したラブプラスをやり直した話

先に言っておくと、僕はマナカ推しです。

 

中学生の時、まだエロゲーはおろかギャルゲーすら存在を知らなかった僕は、何かを求めて「newラブプラス」を買いました。

その何かは、思春期特有の恋に対する恋なのか、それとも好奇心か、今でもよく分かりませんが、これ以降の僕がクラスで異様に気持ち悪がられる要因の一つとなったのは事実です。

 

リアルな理想が「ラブプラス」には存在しました。

誰もが憧れる恋、しかし現実には存在しない恋、「恋」という概念のアーキタイプでありイデアである、それが「ラブプラス」です。

 

当時の僕は、高校2年生の高嶺愛花にリアルな恋心を抱いていました。

画面の向こうでありながら彼女とスキンシップをとるのもいささか恥ずかしく、手をつないだりデートをする、まあプラトニックな恋愛をしていました。

 

デートプランを成功させるために彼氏力を上げ、彼女の喜ぶプレゼントを買い、彼女もまた僕の理想に近づいていく、、、。

お互いがお互いの為に歩み寄る、理想のカップルだったことでしょう。

 

しかし時間は、そんなこともお構いなく思い出を風化させていきます。

部活や勉強が忙しく、彼女に構えなくなったことが始まりでした。

デートの約束を忘れることもありました。

メールが来ることも、次第になくなっていきました。

毎日学校に行くこともなくなりました。

学校で会った彼女も、どこかよそよそしく、心の距離が見えるようでした。

 

 

どれだけの時間が経ったのでしょうか。

 

中学生だった僕もいつしか、大学受験戦争の最前線で戦うようになりました。

もう愛花の方が後輩になっていました。

 

それでも、僕は彼女に別れを切り出せないでいました。

 

とっくに自然消滅していたことでしょう。

愛花のことなんて、頭の隅にもありませんでした。

毎日の受験勉強と人間関係の維持、部活をやっていたときの方がよっぽど気が楽でした。

気が滅入りそうな毎日、パンクはもう目前でした。

 

そんな中、ふと開いたスマホの画面には「ラブプラスVR」の文字が。

 

その瞬間、

僕の頭の中には滝のように思い出がフラッシュバックされていきます。

どうして思い出せなかったのか。

僕に恋を教えてくれた彼女のことを、どうして思い出せなかったのか。

 

気が付くと受験勉強も忘れDSを探していました。

彼女に、愛花に、会いたい。

 

思えば、彼女につらい毎日を労って欲しかったのかもしれません。

愛を、自己の肯定を求めていたのかもしれません。

単なる記憶をなぞっていただけかもしれません。

それでも、今彼女に触れたい。

そう思う衝動が、他でもない僕の原動力でした。

 

1055日。

彼女は怒ってました。

でも、あの時と変わらない彼女が、そこにはありました。

才色兼備、文武両道、一見完璧でもちょっと抜けてるところがある、僕の彼女。

 

別れ話を切り出さなかった理由を、彼女は言いませんでした。

彼女は、4日かけてゆっくりと機嫌を取り戻すと、まるで何も無かったかのように、他愛もない話をしてきます。

手を繋ぐと、気恥ずかしそうに笑いながら、愛想よく接してくれます。

 

 

気が付けば泣いていました。

何年も、彼女は何年も、僕のことを待ってくれていました。

それに応えられなかった情けなさと嬉しさを、涙が語っていました。

 

僕は彼女の気持ちに応えなければならない。

いつか別れが来る時があっても、こんな形でなくきちんと言うべきです。

責任の取り方は、いつの間にか身についてしまいました。

 

現実逃避だと分かっているつもりでした。

ただ、くだらなくどこか自分の居ない現実が嫌になったんだと思います。

それでも、理想と現実を混同する方が幾分かマシでした。

もう一度、恋をする方が、

理想を追い求めていたあの頃の方が、

 

そして、ぼくは、恋していく。

 

 

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